2台はBEV(電気自動車)、1台はPHEV(プラグインハイブリッド車)です。
すでに、プリウスPHV(現地名プリウスプライム)とRAV4 PHV(同RAV4プライム)をラインナップしているTMNAから第三のPHEVモデルが登場するというわけです。
ハイブリッドカー代表のプリウス、アメリカのみならず世界的にトヨタ車でもっとも売れているモデルのRAV4につづくプラグインハイブリッド車として、
どのようなモデルがふさわしいのか、気の早いユーザーはベースモデルの予想を始めているようですが、具体的な情報については発表されていません。
■PHEVのほうが環境負荷もコストも有利というのがトヨタの主張
ちなみにトヨタは他メーカーと異なるプラグインハイブリッド車のアピールをしています。それがBEVとPHEVの環境性能と所有コストを評価するツールの作成とソースコードのGitHubを利用した公開です。
このツールでは温室効果ガス(≒CO2)と総所有コストの関係をアメリカの発電状況を元に導きだすことがでますが、
結論をいってしまうと「現在利用可能なBEVモデルとPHEVモデルの温室効果ガスは、
バッテリーの充電に使用される平均的な米国のエネルギーグリッドの発電によって生成される汚染物質を考慮に入れると、“路上でのパフォーマンス”においてほぼ同じ」になるといいます。
ということは、生産時の温室効果ガスまで考慮すると、バッテリー搭載量を少なくできるPHEVのほうが環境負荷を低くできることになります。
バッテリー搭載量は車両価格に反映しますから、総所有コストについても各種インセンティブ(補助金など)を考慮しなければPHEVのほうが有利ですし
、とくに長距離型のBEV(バッテリー容量が大きい)では、仮にアメリカにおける2020年のインセンティブを前提にしても、PHEVのほうが所有コストを抑えることができるとトヨタは主張しています。
■BEVはバッテリー容量を抑えた短距離向けがメインか?
すなわち、イメージとしてのゼロエミッション化よりも、本当に環境負荷を低減できるソリューションとして、PHEVも含めた電動化を進めていくべきというのがトヨタの主張というわけです。
だからといってBEVに力を入れないということではありません。今年中にローンチするという2台のBEVがどうなるかは明らかになっていませんが、
すでにトヨタは電気自動車専用のプラットフォームである「e-TNGA」を開発していることを明言しています。
これまでのプラグインハイブリッド車はハイブリッドカーの発展形でしたが、BEVはプラットフォームから新設計されたブランニューモデルとなる可能性大。
前述したように長距離型のBEVはPHEVに比べて環境負荷を含めたユーザーメリットが少ないというのがトヨタの考えですから、
新しいBEVは適切なバッテリー搭載量に抑えられていると予想されます。トヨタは長距離ユースにはPHEVや燃料電池車(FCV)というソリューションを用意することでニーズを満たす考えなのです。
すなわち、トヨタの電動化戦略は、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、電気自動車をあわせた全方位的なストラテジーとなります。
ちなみに、トヨタ車における電動車両の比率予測は、アメリカ市場において2025年までに新車販売の40%、2030年には新車販売の約70%となっています。
政権交代によってクルマの電動化に大きくシフトしたアメリカですが、トヨタの分析によれば、10年後にエンジン車が消えてしまうということは考えられないというわけですが、
はたして大きく動く市場に対してトヨタの戦略は合致するのでしょうか。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
https://carview.yahoo.co.jp/news/detail/10c83007c0fdc7f9151a5574ab36c8760c0a4442/
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Source: 車速報
トヨタはEVよりもプラグインハイブリッド(PHEV)の方が環境負荷もコストも優れていると考えている