<京都への移住に関心を持つ首都圏の若者が増えている>。こんな書き出しから始まる記事が京都新聞に載ったのは6月14日のことだ。記事は、東京で開催された京都への移住希望者を対象とするイベントなどに触れ、とりわけ若者を中心とした“移住熱”の高まりを指摘する。そして、背景には<新型コロナの影響でテレワークが進んだことや都会暮らしへの疑問、子育てをする上で自然環境を求める意識>があると報じている。
「京都移住への関心は間違いなく高まっていると感じます。ただ、京都には長い歴史に基づいた、独特な文化や慣習、物の考え方が根づいています。その点をきちんと理解せずに引っ越すと、近隣で浮いた存在になってしまうこともあるのです」
そう語るのは株式会社洛斗コーポレーション代表で、一級建築士の畑尚樹さんである。同社は京都を拠点に戸建てやマンションの設計・改築を手がけ、不動産業に加えて京町家をリノベーションした一棟貸しのゲストハウスビジネスも展開している。
そんな京都に根を張る“不動産のプロ”のところにも、ここ最近、「投資目的ではなく、京都への移住を前提にした問い合わせが少なくない」そうだ。では、なぜ京都が“移住先”として人気を博しているのだろうか。
「やはり、多くの人が“古都”という響きに憧れを抱いているのだと思います。よく耳にするのは、学生時代に修学旅行で京都を訪れた方が、大人になって再訪して“やっぱり京都はいいなぁ”と惹かれるパターンですね。たしかに、京都には風情のある綺麗な街並みや神社仏閣、祇園祭といった他の地域では味わえない文化的な要素が目白押し。東京とは違って、都会でありながら、自然や田舎の感じもほどよく残っている。しかも、観光で訪れると、京都の人は何を尋ねても笑顔で答えてくれるので“一度は住んでみたい”と思っていただいているようです」
「どっからきはったん?」
だが、本当に京都移住を目指そうとすると、数えきれないほど多くの“落とし穴”が待ち受けているのだ。観光で足を運ぶことと、実際に住むことの間に、京都ほど大きな落差がある街も他にあるまい。
畑さんによれば、移住希望者がまず気を付けるべきは、京都人の「ホンネ」だという。
「京都人が“何を尋ねても笑顔を答えてくれる”のは、あくまでも観光客向けの顔と心得るべきですね。一定期間のお付き合いは笑顔で済ませても、隣に引っ越して来るとなれば話は別。ちょっとしたやり取りの行き違いで、相手の態度が数日前までとは全く変わってしまうこともあります」
たとえば、京都に家を建てるため、ご近所にあいさつへ訪れたとしよう。隣家の住人の第一声は「どっからきはったん?」。この時、京都府内の別の場所から越してきたのならともかく、“東京から来ました”などと嬉しそうに答えると、「なんで、わざわざ京都にきはったん?」と白けた雰囲気になることもあるという。さらに、「東京は便利でよかったんですが、京都の落ち着いた雰囲気に憧れまして……」などというのは避けた方がいい。「こんな不便なとこに、わざわざ遠くからすんませんなぁ」と返されるのがオチだからだ。
「大事なのは、決して“ふるさと自慢”をしないことです。京都人の物差しは“京都かそれ以外か”なので、引っ越す前の街について聞かれたら、枕詞に“京都にはかないませんけど”をつけて端的に回答するのが正解です。そうして上手く立ち回ると、“ええ人え”といった評判が町内に出回ることになります。ちなみに、うちの会社には先祖の代から京都に住み続けて7代目の女性スタッフがいるのですが、彼女によれば、同じ京都でも伏見から京都市内に引っ越すと“遠いところからよくきはって”と言われるそうです」
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Source: 車ちゃんねる
京都で隣人から「うちの前に車を停めてもええで」と言われても絶対に停めてはダメな理由wwwwwwww