同社は2021年5月に従来の電動車販売の見通しを修正し、2030年にグローバルでHEV(ハイブリッド車)とPHEV(プラグインハイブリッド車)、
FCV(燃料電池車)、EV(電気自動車)の販売を合計800万台とした。このうち、EVとFCVが合計200万台と見込む。
2017年の時点では2030年に電動車販売が合計550万台で、このうちEVとFCVが合わせて100万台としていた。
足元のトヨタ向けの電池の生産量は6GWhで、電動車の販売800万台を実現するには電池の供給を30倍に拡大する必要がある。
これまでHEV向けに20年かけて拡大してきた生産体制を、今後10年で同じだけ拡大するハイペースが求められる。
(中略)
■全固体電池は「HEV向き」
電池はHEV向けとPHEVやEV向けのフルラインアップを整える。
HEV向けは瞬発力重視で、これまでにも搭載実績のあるニッケル水素電池とリチウムイオン電池の他、全面改良した「アクア」で初採用したバイポーラ型のニッケル水素電池の搭載を拡大する。
PHEVとEVは持久力重視で、2022年半ばまでにグローバルで販売するSUVタイプのEV「bZ4X」は、
新車から10年後の電池の容量維持率を90%とし、世界トップレベルの耐久性能を目指す。
長寿命達成のカギは電池の負極の表面に発生する劣化物だ。
劣化を抑制する表面処理、電池構成材料が含む水分を電池内部に持ち込まない設計と生産技術、
電池を均一に冷却する構造の採用、電池の負荷を減らす制御システムなどさまざまな方策によって劣化物の生成を抑える。
HEV用の電池開発から取り組んできた解析と対策の積み重ねで耐久性の向上につなげる。
2020年代後半には、液系電池の材料進化や電池構造の革新などによる「新型リチウムイオン電池」を投入する。
「新型リチウムイオン電池」には全固体電池も含まれる。2020年6月に全固体電池を搭載した車両を試作、テストコース内で走行データを取得した。
そのデータを基に改良を重ねて、同年8月にはナンバーを取得し、公道での試験走行も実施した。
その中で、全固体電池の高出力な特性がHEVにも向くことや、寿命の短さが明らかになった。
量産車での全固体電池の搭載は、EVよりもHEVが先行するという。
低寿命なのは、全固体電池を長く使う中で固体電解質と負極活物質の間に隙間が生じてしまうことが要因だ。
そうした現象を抑制する材料の開発に取り組む。全固体電池の課題を克服した上で、HEVからEVに展開する考えだ。
全ての電動車に共通して、電池開発では「安全」「長寿命」「高品質」「良品廉価」「高性能」のバランスを重視する。
CTOの前田氏は「これらの5つの要素のうち、どれかを追求すれば何かが低下するなどトレードオフになるものもあるが、バランスをとることが安心に使える電動車につながる」と語る。
(以下略、全文はソースにて)
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2109/08/news065_2.html
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Source: 車ちゃんねる
【朗報】トヨタが電動車戦略を発表 「全固体電池は寿命が短くEVよりもハイブリッド向き」