コロナ禍の今年7月18日。ひっそりと50周年の夏季大祭が行われた聖光寺には、今年も社長の豊田章男の姿があった。豊田もまた、社長就任以降、毎年欠かすことなく参拝している。この50年の節目に、聖光寺の責任役員に就任した豊田は、安全への想いを次のように語った。
先日、最新の自動運転技術を搭載したクルマに試乗する機会がございました。最初に乗った時に比べますと、技術の進歩には目を見張るものがありますが、実際の交通社会では、今の私たちには想定できないことが必ず起こります。安全を願って開発した新技術も、使い方によっては、悲しい事故につながることがあると思います。
試乗を終えて、私は、創業当時のトヨタに想いを馳せました。豊田喜一郎たちが、最初に販売したトラックは、残念ながらすぐに故障するクルマでした。あまりの故障の多さにお客様はお怒りになり、そのたびに、喜一郎をはじめとするエンジニアたちは飛んでいって対応を続けたといいます。
クルマによって、命を落とす方がいる。悲しい思いをされる方がいる。これは、創業当時も今も変わりません。私たちは、その事実から決して目をそらすことなく、クルマをつくり、新しい技術を世に送り出します。
私たちは、この50年間、毎年欠かすことなく、ここ聖光寺において、交通事故による悲しみがなくなるよう、願い続けてまいりました。創建当時には、「願うだけでは事故はなくならない」と言われたこともあったと聞いております。
それでも、私たちは願い続けてまいりました。精一杯の願いを込めた技術であり、クルマでなければ、世の中に出すことなどできない。私はそう思っております。
今、「CASE」と呼ばれる技術革新によって、クルマの概念そのものが大きく変わろうとしております。それでも、変わらないものがあります。それは、私たちが本当につくりたいものは、人々の幸せだということです。
これからも私たちは願い続けてまいります。この世界から悲しい事故がなくなりますように。そして、もっと人々を幸せにするクルマを追求してまいります。
https://toyotatimes.jp/insidetoyota/096.html
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Source: 車速報
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