日産悲願の「対等出資」へ
日産自動車・ルノー・三菱自動車工業の日仏連合「アライアンス・ボード」の首脳が2月6日、英ロンドンで会見し日産とルノーの資本関係見直しで合意したと発表した。ルノー保有の日産株を43.4%から15%まで引き下げ、相互に15%ずつ出資する。いわゆる「いびつな資本関係」の是正によって、1999年の両社の資本提携以来24年間続いた日仏連合は「歴史的な転換点」を迎えることとなった。
90年代後半の日産の経営危機をルノーが救済する形で両社が資本提携し、ルノーから派遣されたカルロス・ゴーン元会長の下で早々に再生を遂げた日産は、これまで売り上げ・販売台数規模でルノーを凌駕してきた。だが、資本関係ではルノーが43.4%を握る筆頭株主なのに対し、日産はルノーへ15%の出資にとどまり、かつ仏商法上のルールでルノーへの議決権がないという「親子」関係が続いてきた。
今回の資本提携見直しの動きは、昨年2月にルノーがEV(電気自動車)事業の分社化を公表したことにさかのぼる。ルノーは、この自動車大変革時代に対応した事業改革に乗り出し、特にEV化が先行する欧州地域を強化するべくEV専業の「アンペア」を23年後半に設立、上場させる予定だ。ルノーがこのアンペアにEV技術で先行する日産と三菱自の参画での協業を要請したのだ。
今回の3社の首脳会見では、ルノー・日産の資本関係見直しとともに日産はルノーのEV新会社アンペアに最大15%出資することで合意し、三菱自も「出資を検討」とのコメントを発表、3社が協業する方向で一致した。
日仏3社連合にとって大きな転機となる今回の動きは、ルノーがEVを軸に据えた生き残りへ資本関係を見直し、親会社の立場を捨ててでも新たな協業関係を築きたいとの意向が強かったということだろう。ルノーは2019年度と20年度に連結業績で赤字転落し、22年度の業績もロシア・ウクライナ問題によりドル箱だったロシア事業から撤退したことで損失を計上しており、事業構造改革の必要性は切迫している。ルノーに15%出資する仏政府も今回の合意に同調しており、仏政府から日本政府に書簡が送られてきたことを西村康稔経済産業相が1月に明らかにしている。
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Source: 車ちゃんねる
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