「ハの字タイヤ」「爆音マフラー」「巨大ウイング」派手な改造車に機能的メリットはあるのか?
ハの字タイヤ

1: 2021/04/24(土) 12:26:56.37 ID:dVEXI2k29

■ 見て分かるほどのキャンバー角をつけるのは機能的にマイナスだ

 街で派手なカスタムカーを見かけたときに、あのようなカスタマイズには、見た目以外に何か機能的な価値があるのだろうか? と疑問に思ったことはないだろうか。たとえば大きなネガティブキャンバーがついた八の字タイヤ。あるいは爆音。巨大なマフラー……。

 これらはある面、レーシングカーにも共通する部分でもあり、まるで無意味とは思えないが、そのメリット・デメリットを整理してみよう。

1)ハの字タイヤ

 クルマを正面から見たときのタイヤの傾き=角度のことをキャンバー角という。正面から見て、上端が狭く下側が広がった状態、つまり「ハの字」の状態は、ネガティブキャンバーと呼ばれ、レーシングカーでは2~3度ぐらいのネガティブキャンバーにセッティングすることが多い。

 ネガティブキャンバーをつける理由は、キャンバーをつけるとクルマの中心に向かって曲がろうとする働きが生じ、旋回性能が高まるため。オートバイがコーナリング中にバンクしている状態をイメージするとわかりやすいはず。

 さらに旋回中、クルマがロールしたときに、外側のタイヤが地面に対し垂直をキープしやすくなり、接地面を稼ぎやすくなるメリットもある。その反面、直進安定性が悪くなるので、トーをアウトに振って相殺し、サイドスリップをゼロに近づけるのがセオリー。

 しかし、ネガキャンをつけすぎると、直進時の接地面が減り、制動力、トラクションともに低下する。直進性も悪化し、タイヤの偏摩耗を引き起こすので、機能的にはマイナスでしかない。離れたところから、ぱっと見でわかるほどキャンバーがついていたとしたら、それは明らかにつけすぎで、視覚的効果以外のメリットはない。

2)爆音

 いまの日本の保安基準は音量に対して非常に厳しく、乗用車の場合、平成元年規制でも近接騒音は107dbが上限。平成11年規制では99db以下でないと、そもそも公道を走ることは許されない。それを上まわる大きな音量=爆音にする機能的効果があるとすれば、エンジンの出力向上ということだろうか。

 エンジンパワーを上げるには、いい吸気といい排気が重要で、排気抵抗が少なければ少ないほど、空気を吸いやすくなってパワーが出やすくなる。ノーマルマフラーは、サイレンサー内部がいくつかの小部屋に分かれた隔壁構造によって消音している場合が多いので、それをストレート構造でパイプ径を絞らない、いわゆる直管マフラーにすれば、たしかにパワーは出るのだが……。

 最新のスポーツカーの場合、すでにノーマルでも保安基準ギリギリの音量で、かなり排気効率も詰められているので、合法の範囲でマフラー交換によってパワーを上げるのは難しいところに来ている。やるならエキマニ、触媒、フロントパイプなどと合わせ、排気系全体で見直さないと意味がない。

 最新のクルマ以外だとしても、車検対応マフラーで、十分排気効率のいいマフラーが出ているので、イリーガルな爆音マフラーをつける機能的なメリットはほとんどない。それどころか、可変バルブタイミング機構などのないエンジンに直管マフラーを装着すると、排ガスの抜けがよすぎて、中低速トルクが小さくなってしまうことすらある。

 さらにいえば、最近はチューニングカーでも、そして保安基準内であっても、音の大きなマフラーは敬遠される傾向がある。というわけで、マフラーは車検対応品のなかから、性能のいいものを選ぶようにしよう。

3)巨大ウイング

 エアロパーツのウイングもレーシングカーには欠かせないもの。ウイングをつけることで空気の力で車体を地面に押しつけ、タイヤにかかる荷重を増やしてグリップを高める効果があり、運動性能を高める効果は絶大だ。

 しかし、100km/h前後にならないと、体感的な効果は現れないし、大きなウイングは空気抵抗にもなってデメリットもある。サイズや形状によっては保安基準に抵触する恐れもあるし、前後で空力バランスがとれていないと操縦安定性にも悪影響が出て、意外にシビアな領域だ。

 メーカーやワークス系のように、風洞実験やCFD(計算流体力学)を行なって開発されたものなら信用できるが、少なくとも公道での走行では、巨大ウイングの機能的メリットは考えにくい。

※引用ここまで。全文は下記でどうぞ
https://news.yahoo.co.jp/articles/c006d0dbde3f2779036ea72c89ce27a70bf6013e


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Source: 車速報
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