「カーガイのカーライフは、買い換えではなく“増車”が理想」というのはある先達の教えだ。手に入れたお気に入りのクルマは手放さず、必要があればその都度クルマを買い足していく。確かにそれができればベストだが、どんなに愛情を持って接していても、経年劣化でクルマはヤレて、疲れて、ヘタってくる……。
特別な思い入れがある場合は、部品供給が続く限り、ずっと乗り続ければいいと思うが、耐久消費財として考えた場合のクルマはどのタイミングが買い替え時なのか?
一般財団法人自動車検査登録情報協会の調べによると、2020年3月末日時点の国内の乗用車(軽自動車を除く)の平均使用年数は、13.51年とのこと。
これは自動車税が新車登録から13年以上経つと15%も重課されるのと無関係ではない(18年以上経つクルマはさらに重課される)。
機械としての寿命を考えれば、まだまだ元気に働けるはずだ。
ちなみにタクシーの場合、1日200~270km、年間10万km、5年間で50万km走ってお役御免というのがひとつの目安。タクシーのベース車は特別丈夫というわけではなく、むしろどちらかといえば経済性重視の安っぽい作りだ。
■15年ぐらいがひとつの境目といえる
そう考えると、走行距離だけでいえば20万km程度は定期的な点検整備と、通常範囲の消耗品の交換だけでも安全圏内といえるはず。
むしろチョイ乗りがメインで、短距離&低速走行の繰り返しで、年間5000kmも走らないようなクルマほど、コンディションが悪いクルマが多いぐらいだ。
それに対し、年数はけっこう重要。クルマは樹脂パーツ、ゴム類、パッキン、シール、そして電装系から壊れてくるが、これらは走行距離よりも年数の影響が大きい。ボディの塗装や内装のヤレも年数に比例することを考えると、15年ぐらいがひとつの境目といえるだろう。
まとめると実用的にクルマを乗り潰すのなら、走行距離は20~30万kmまでOKとして、年数は自動車税の2度目の重課が待っている18年になる前に買い換えるという線が、損益分岐点と妥当だと思われる。
逆にいえば、15年以内なら仮にエンジンやミッションが逝ってもリビルド品に載せ替えればいいし、エアコンが壊れても直した方がいい!?
クルマを経済的に使い切るなら、毎日のように走らせ、最低でも1年に1万kmぐらいは走るようにして、油脂類、クーラント、タイヤ、バッテリーなどの消耗品はケチらず定期的に交換。元気にたくさん走って、15年30万kmぐらいで手放すのが、クルマも懐も一番喜ぶ乗り方といっていいだろう。
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Source: 車速報
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