高齢者の「免許返納」が減少、危険視されても車を手放せない深刻な実情

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1: 2023/01/19(木) 06:46:50.22 ID:d6xfI15J9
週刊ダイヤモンド2023.1.18 4:20
https://diamond.jp/articles/-/315135

昨年11月19日、福島市の市道で97歳の男性が運転する軽乗用車が、歩道を歩いていた40代女性をはね、死亡する事故が起きた。高齢者ドライバーの問題については2019年に起きた池袋の死亡事故の際に大々的にメディアに報道され、一時は高齢者の免許自主返納は増加傾向にあった。しかし、その後は2年連続で高齢者の免許自主返納率は低下している。この背景には、高齢ドライバーだからといって簡単に免許返納ができない実情があるようだ。(清談社 田中 慧)

● 高齢ドライバーの 免許返納数が減少した理由
警察庁の発表によると、近年の自動車運転免許の返納者は、東京・池袋で高齢ドライバーによる母子ら死傷事故が起きた2019年には60万1022人と過去最多を記録したという。だが、その後は2年連続で減少しており、2021年の自主返納者数は51万7040人となった。

この数字の変化について、認知症予防専門士・道路交通評論家で、長年高齢者ドライバーをめぐる問題を注視してきた中村拓司氏はこう分析する。

「返納の意思があってもコロナ禍で不要な外出を避けるために手続きを行っていない人や、単に次の免許更新のタイミングを待っている人もいるでしょう。一方で、コロナ禍では感染対策として公共交通機関を避けるため、若い人も含め免許取得率が上がり、当然、重症化しやすいと報道されていた高齢者も車を必要としました。また、特に地方は公共交通機関が少なく、都会でも郊外部など、車がないと生活できないエリアも多い。池袋の事故を受けて、誰もが頭に免許返納がよぎりつつも、やはり車の利便性がそれを上回っている状況です」

地方で提供しているタクシーやオンデマンドバスを利用すべき、という声もあるが、現実的には事業者や台数が足りていない上、拡充するだけの予算もない地域がほとんどだという。実際、中村氏は、認知機能が衰えてきた高齢男性が、認知症の妻を病院に連れていくといったケースも耳にするそうだ。高齢者にとって車は“足”であり、高齢者の運転が危険視されているからといって、その“足”を奪う免許返納を安易に勧めることは難しい。

「高齢者のプライドの問題もあります。多くの高齢者は、それまで無事故で何十年と運転してきた自負から、『自分は若い人よりも運転がうまい』『事故が起きてもぶつかってきた相手のせいだ』と、自分の運転技術を過信する傾向が強いです。そのため、身体の衰えに気づきつつも、目をそらしてしまう心理があります」

それゆえ、たとえ子どもや孫に「そろそろ運転は危ないんじゃない?」と言われても響かない人は少なくないようだ。一方で、高齢者も心のどこかでは、「いつかは返納しなければ」という思いは抱えているという。こうした複雑な背景を抱えながらも、車を必要とする高齢者は存在し続けている。

● 免許更新制度の厳格化で 認知症患者が増える可能性
車を手放せない高齢者が多く存在するなか、彼らの運転能力をチェックする制度は拡充してきている。現在、75歳以上のドライバーは、3年に1度の免許更新時の高齢者講習に加え、「認知機能検査」を受ける必要がある。また、昨年5月からは、一定の違反歴のある75歳以上には運転技能検査の実施も義務付けられた。この検査は、免許更新時までの半年の間、何度でも受けることができるが、合格できなかった場合は免許の更新が見送られるという。

一方、「認知機能検査」は、高齢ドライバー自身が「自分はこれからも運転していいのか」を検討する材料になるはずだ。だが、中村氏によれば、この検査の制度には、医学的見地から問題点が挙げられるという。

「『認知機能検査』で認知症の疑いがあると判断されると、その後、改めて医師から認知症と診断されることによって、免許更新ができなくなります。高齢者の足を奪うことになる重い判断を押し付けられることに、医師側から違和感を訴える声が上がっています。また、かつての認知機能検査は、『認知症のおそれ(第1分類)』『認知機能低下の疑い(第2分類)』『問題なし(第3分類)』の3段階に分けられており、『第2分類の認知機能低下の疑い』の人は、いわゆる『軽度認知機能障害(MCI)』に相当する人が多く、その後の努力で認知症への移行を回避できるケースがありました。しかし、昨年5月に改訂された認知機能検査では、『認知症のおそれ』が『ある』か『ない』かの2択となりました。これによって、本来は努力次第で回復の見込みがあったグレーゾーンの人が発見されづらく、『認知症側』に判断される可能性が高まりました。

以下出典先で


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Source: 車ちゃんねる
高齢者の「免許返納」が減少、危険視されても車を手放せない深刻な実情

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