
雨や雪、霧など天候不順によって視界が悪くなってしまった際に使用するフォグランプ。そもそもフォグ(FOG)とは「霧」を意味しており、直訳すれば「霧用の明かり」ということになる。
そんなフォグランプ、もともとは上級車種や上級グレードに備わることが多く、ベーシックカーやベースグレードには標準装備されないことが多い装備だった。しかし、最近ではベースグレードはもちろん、軽自動車のようなベーシックカーにも標準装備されることが多くなってきている。
一方、使用方法などで度々議論になることが多いリヤフォグ(バックフォグ)については、標準装備する車種はまだ多くなく、装備するにも「寒冷地仕様とセット」のようなセットオプションとして存在していることが多い。ではフロントとリヤで、ここまで違いがあるのはなぜなのだろうか?
安全面で有効な装備だが標準化のコスト増が受け入れられない
そもそも前述したようにフォグランプはあくまで補助灯であり、絶対になくてはならないものではないが、あれば当然悪天候時の視界確保などに有利となる。すでに多くの車種に先進安全装備が標準化されていることからもわかるように、メーカーとしても安全に寄与するものであれば付けておきたいという本音もあるはずだ。
また、近年増えているLEDヘッドライトはほとんど熱を持たないため、着雪が溶けにくいというデメリットがある。一方、ハロゲン球を使用するフォグランプであれば、熱によって雪が解けるというメリットもあるのである(なかにはLEDタイプもあるが)。
一方のリヤフォグランプは、フロントほどまだ一般に認知されていない部分もあり、標準装備化した際のコスト増に理解が得られない可能性があるということなのかもしれない。
ちなみに天候に関わらずリヤフォグランプを点灯しているユーザーが多いイメージの強い欧州車だが、じつはヨーロッパでは90年代からリヤフォグランプの標準装備が義務付けられており、その影響で日本に導入される車種にもリヤフォグランプが備わっているからだ。
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Source: 車速報
欧州車には標準のリヤフォグランプが国産車にあまり採用されないのは?