
経緯を説明すると、新東名はもともと、前線6車線(片側3車線)で計画されていたが、01年からの道路公団民営化議論のなかで、建設費縮減のため暫定4車線とすることが決定した。
当時大マスコミはこぞって、「第二東名は戦艦大和並みのムダ」などと報じ、建設中止を主張していたので、個人的には建設が続行されただけでも御の字であった。
ただ、すでに着工していた御殿場-浜松いなさ間145kmに関しては、すでに6車線設計での工事契約が完了していたため、トンネルや橋梁をはじめとする基本構造は6車線のまま建設が続行され、それをわざわざ4車線に狭めることになった。
ただし、145kmのうち55kmの区間は、「付加車線」という名目で、実質的に6車線運用している――というのが現状だ。
今回6車線化が決定したのは、その、もともと6車線で建設された区間なので、拡幅は非常に容易だ。なにしろトンネルも橋も土工部も、すべて6車線の幅が取ってある。それをわざわざプラスティックポールを立てるなどして狭くしているだけだから、基本的には、それら邪魔なものを撤去して最終舗装を施し、区画線を引き直せば完成だ。
私は以前から、「せっかく6車線で建設した御殿場-浜松いなさ間は、ぜひ全区間6車線化してほしい」と書いてきたが、それが実現することになったわけで、じつに喜ばしい。
事業費は900億円が予定されている。900億円というと、ものすごい金額に感じるかもしれないが、この区間の全体事業費は2兆6000億円。わずかな投資で全線6車線化できるのだから、いままでやらなかったほうがバカである。
ところで、なぜ今回、6車線化が実現することになったのか。これについては、次のような理由が挙げられている。
1 トラックと一般車両との輻輳(ふくそう)を避けるため。また、車線の絞り込みに起因する追突事故リスクを低減するため。
2 高速道路でのダブル連結トラック、トラック隊列走行の実現のため。
これらを踏まえ、物流の基軸となる東名・名神軸において、通行止め、大規模災害、リニューアル工事等の際の安定的な交通確保の観点からも、6車線化が決定したとされている
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Source: 車ちゃんねる
新東名高速の6車線化が決定! 渋滞もしていないのに900億円をかけて実施する理由とは