必須装備じゃなかったの?いま「アイドリングストップ」の「不採用車」が増えている
1: 2020/08/12(水) 21:12:51.07 ID:CAP_USER

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WLTCモードではアイドリング時間が短くなってしまう

 ヤリスやカローラといった、最近フルモデルチェンジしたトヨタ車には、もちろんハイブリッド仕様が用意され、アイドリングストップをするが、ガソリン仕様のほうにはアイドリングストップ機能が用意されていなかったりする。ほかにもスズキ・スイフトも非ハイブリッドグレードにはアイドリングストップ機能がついていない。燃費を稼ぐにはアイドリングストップ機能は必須と思われていたが、ひそかにトレンドは変わっている。

 なぜ、脱アイドリングストップが進んでいるのだろうか。

 ひとつには、燃費(排ガス)計測モードがJC08から世界基準のWLTCモードに変わったことが挙げられる。国土交通省のリポートでも触れられているが、この二つのモードを比較したときのWLTCモードの特徴のひとつが『アイドリング時間比率の減少』にある。

 計測モードにおいてアイドリングしている時間が短くなるということは、すなわちアイドリングストップによる燃費改善効果が減少するということである。メーカーは商品性として実燃費も重視しているので、モード燃費だけを見ているわけではないが、やはり目標としてモード燃費のターゲット値というものはあり、アイドリングストップを採用することで達成しやすくなるので、ついついアイドリングストップ機能をつけてしまうのは仕方がない。

 とはいえ、アイドリングストップを実現するにはセルモーターの耐久性、よりタフなバッテリーなど車両側のコストが上がる傾向にある。アイドリングストップをせずとも目標の燃費が達成できるとなれば、そうしたコスト高の要因を省くことで、価格を下げるという商品力を手に入れることができるのだ。具体的な価格への反映度をはかるのは難しいが、とくにコンパクトカーであれば、たとえ1万円でも安くできればライバルと比べた際の商品力としてはプラスになる。

 アイドリングストップを省いたとしても、カタログ燃費で十分に競争力のある数値が実現できるのであれば、その意味では省いたほうがオトクといえるのだ。

充電制御をしなければコストダウンにつながる!
 アイドリングストップだけではない。ヤリスやスイフトのカタログで「主要燃費向上対策」の項目を見ると「充電制御」という四字熟語を見ることもできない。充電制御というのは、バッテリーの状態を見ながら、適切にオルタネーターを働かせることでエンジンが発電する負担を減らし、結果として燃費を改善するというものだが、そのためには短時間で充電できる“充電受入性”が高い専用の鉛バッテリーが必要になる。

 じつはアイドリングストップでも大容量の専用バッテリーが必要で、いずれにしてもバッテリーの交換コストが高くなる傾向にある。アイドリングストップも充電制御もなければ、シンプルな昔ながらのバッテリーで済むので、車両コストも下がるし、当然ランニングコストも下がる。わずかな燃費の違いであれば、トータルでの維持費は非アイドリングストップ・非充電制御のほうに軍配が上がる可能性もあるのだ。

 車両価格とランニングコストの両面でお財布に優しいとなれば、それはユーザーメリットが大きいことになる。アイドリングストップが普及した当初は燃費性能の高さが評価されていたが、徐々にコストをきちんと見ることのできるユーザーのなかには「バッテリー交換を考えるとトータルではアイドリングストップ車は損」という認識もあるし、なかには「アイドリングストップをオフにしてバッテリーへの負担を軽減する」という使い方をしている人も少なくないという。ある意味、本末転倒状態となっている。

 そうした市場トレンドをしっかりつかんでいるメーカーから、脱アイドリングストップが進んでいるともいえる。カタログ燃費がWLTCモードになり、アイドリングストップの効果が少なくなったことが大きなインセンティブになったのだろう。おそらく他社も追随して、アイドリングストップや充電制御の採用例が減っていく流れにあるといえそうだ。

https://www.webcartop.jp/2020/08/563969/


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Source: 車速報
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