● ますます進むクルマ離れが マンションの駐車場にも影響を及ぼす
近年、若者を中心にクルマ離れが進んでいるといわれているが、実際のところはどうなのだろうか。日本の自動車保有台数の推移を見てみると、高度経済成長から現在まで、ほぼ右肩上がりで増加しているが、保有台数の増加率自体は年々縮小傾向にあるようだ。
その要因としては、大都市圏に住む世帯の自動車保有率が低いことや、ここ数年でレンタカーやカーシェアリング市場が拡大してきたことが考えられるという。また、年齢別に見ると、やはり若者の自動車保有率が低いということが数字にも表れている。
少子化や人口減少に加えて、高齢ドライバーによる運転免許証の自主返納が増え、クルマを手放す世帯が多くなることを考えると、今後もクルマ離れはますます進んでいくと見ていいだろう。
実際に政府も、2008年時点の7400万台という保有台数と比較して、およそ40年後の2050年には、約15%減の6300万台になるという見通しを発表している。
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このクルマ離れは単なる社会現象ではなく、マンション管理にも直接影響を及ぼす、実に悩ましい問題だ。クルマの数が減るとどうなるかといえば、まずメリットとしては、交通量が減って渋滞が起きにくくなる、違法駐車・迷惑駐車が減る、排気ガスによる環境汚染が少なくなる、というようなことが考えられる。
一方、デメリットとしては、クルマが売れなくなり、自動車産業の低迷と経済不振につながる、駐車場の必要数が減って空きが多くなる、などが挙げられる。そして、マンション管理に大きな影響を及ぼすのが、この駐車場の空き問題だ。
すでに、マンション内の駐車場で空きが目立ってきているというところも増えてきているのではないだろうか。
最近のマンションにおける駐車場の主流は機械式駐車場だが、これは特に駐車場の空き問題のダメージを受けやすい。私が関わらせていただいている約300世帯のマンションでは、機械式駐車場の利用率が30%という、実に衝撃的な数字になってしまっているところもある。
機械式駐車場の問題については、『機械式駐車場はマンションスラム化の要因になる「金食い虫」だ』でも説明しているが、ただでさえマンション設備の中でもトラブルが多く、メンテナンス費用のかかる設備である上、空きが増えればそれだけ駐車場使用料の収入が減り、維持管理に必要な費用がまかなえなくなってしまう。
「メンテナンスの費用も高いし、今後も駐車場の空きが増えるというなら、機械式駐車場を撤去するなり改修するなりして、駐車場の数を調整すればいいじゃないか」と思うかもしれないが、そう簡単にできるものではない。
マンションの駐車場には「附置義務」があるからだ。
● 駐車場を減らしたいのに減らせない!? 制度疲労を起こしている附置義務
附置義務とは、正しくは「駐車施設の附置義務制度」のことだ。昭和の中頃はクルマの台数が急増し、路上駐車や違法駐車が大きな問題になっていた時代で、交通の円滑化を図ることを目的に、都市における駐車施設の整備に関する事項を定めた駐車場法が作られた(昭和33年2月施行)。附置義務は、その駐車場法に基づいて、地方自治体が条例によって定めるものであり、一定の地区内において、一定規模以上の建築物を新築などする場合に、設けることが義務づけられている駐車場を意味する。
簡単に言えば、例えば都市部の駐車場需要の高い地域で、規定の延べ床面積を超える大型の建築物を建てる際には、その延べ床面積に応じて、規定の数値で算出した台数以上の駐車場を設
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12/26(木) 6:01配信
ダイヤモンド
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191226-00224100-diamond-soci&p=1
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Source: 車速報
マンション「駐車場ガラ空き」問題の解決を阻む時代遅れの制度とは