【法制審議会】あおり運転を厳罰化　妨害目的の前方停車、違法に

　法制審議会（法相の諮問機関）は２１日、あおり運転を厳罰化する自動車運転処罰法の改正要綱を、森雅子法相に答申した。危険運転致死傷の要件に、通行を妨害する目的で走行中の車の前方に停車するなどの行為を加える。法務省は早ければ今国会に改正案を提出、成立を目指す。

　要綱は、高速道路を走行中の車に対し、前方で停止したり急接近したりして「停止または徐行させる行為」を、危険運転の要件に加えた。速度に関する規定は設けない。

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　現行法も、妨害目的の幅寄せや割り込みなどの行為を禁じているが、加害者側が「重大な交通の危険を生じさせる速度」で運転していることが条件だった。

　あおり運転　２０１７年に神奈川県内の東名高速道路で停止させられた車に後続トラックが追突、夫婦が死亡した事故をきっかけに社会問題化した。昨年も茨城県など各地で割り込みや蛇行運転を繰り返した男が逮捕・起訴される事件が起きた。

　現行法制では道路交通法に明確な規定がなく、警察は車間距離不保持で摘発する例が多い。自動車運転処罰法は走行妨害目的の接近などを処罰対象にするが、加害者側の「重大な危険を生じさせる速度」を要件とし、前方停止などは対象外。

https://www.jiji.com/sp/article?k=2020022100797&g=pol