最近は電気自動車が話題になるが、リーフの売れ行きは低調だ。
2020年の登録台数は1万1286台で、1か月平均は940台であった。
前年に比べて43%減り、コロナ禍の影響を差し引いても落ち込みが大きい。
国内の新車販売全体では、対前年比はマイナス12%だったから、リーフの減少傾向は国内平均を大幅に上まわる。
その理由を販売店に尋ねると以下のように説明した。
「リーフは直近ではマイナーチェンジを控えている。改良の内容は2021年4月に正式発表され、発売は5月だが、メーカーへの発注は2021年2月下旬に中断された。現時点で売られているのは在庫車だ」。
それにしても売れ行きの下降は以前から大きく、1カ月当たり1000台を下まわる。この点も販売店に尋ねた。
「最近は現行リーフも需要が一段落して、売れ行きが安定してきた。さらに2020年の末には、e-POWERの新型ノートが発売されて注目を集めている。e-POWERも電気自動車の一種とされるため、リーフと比べてノートを選ぶお客様もいる」。
2代目の現行リーフは2017年に発売され、2019年には62kWhの駆動用電池を搭載するe+Xとe+Gを発売した。
同年12月にはマイナーチェンジを実施して、運転支援機能のプロパイロットやプロパイロットパーキングを進化させている。
その後、2020年には改良などをおこなわなかったので、売れ行きが伸び悩んだ面もある。
また現行リーフでは、充電などのサービスとして2019年12月から「ゼロエミッションサポートプログラム3」を実施するが、この料金は以前に比べて割高だ。
2016年12月に開始された「ゼロエミッションサポートプログラム2」には、「使いホーダイプラン」が用意され、月会費2000円(税別)で日産の販売店、高速道路、コンビニエンスストアなどの急速充電器を自由に使えた。
ところが現在の「ゼロエミッションサポートプログラム3」は、プレミアム10:急速充電×10回(100分相当)の月額基本料金が4000円、プレミアム20:20回(200分相当)は6000円、プレミアム40:40回(400分相当)は1万円に達する。
3年契約だと各コースともに1500円を割引くが、それても割高だ。
使い放題を望めば、以前の月会費2000円がプレミアム40の1万円(3年契約は8500円)に高騰して、規定の利用回数を超えると別途課金の対象になってしまう。
ちなみにもっとも安価なプレミアム10の3年契約で、月額料金は2500円だ。
プリウスの実用燃費がWLTCモードの30.8km/L、レギュラーガソリン価格が1リットル当たり145円とした場合、2500円を給油すれば532kmを走行できる。
従って1年間の走行距離が6300km以下のユーザーにとって、プレミアム10に加入して急速充電器のみを使うより、プリウスを買うほうが走行コストを節約できる。
エコは損得勘定だけでは片付けられないが、ユーザーには切実な問題だ。
ちなみに割安な「ゼロエミッションサポートプログラム2」が実施されていたころ、日産の販売店では「ディーラーの急速充電器を割安に使えるため、マンションなどの共同住宅に住むお客様も、リーフをオトクに所有できる」とアピールしていた。
このメリットが、2020年から本格運用が開始された「ゼロエミッションサポートプログラム3」では失われた。
このセールスポイントが減ったことも、リーフの売れ行きが鈍った一因だ。
日本では総世帯数の約40%が急速充電器を設置しにくい集合住宅に住む。
都市部では60%以上に高まる。そして急速充電器を設置しやすい一戸建ての世帯が多い地域では、1世帯で複数の車両を使うことが多く、軽自動車が普及している。
そうなると電気自動車を普及させる余地があるのは、1台の車両を所有する集合住宅の多い都市部だから、急速充電器のニーズも高い。
急速充電を頻繁におこなってもリチウムイオン電池が劣化しにくいシステムを開発して、なおかつハイブリッドよりも割安な料金で急速充電器を利用可能にする必要がある。
2021年には日産から新型電気自動車のアリアが発売される予定で、その開発者は「アリアではリチウムイオン電池の温度管理を綿密におこなうため、急速充電器を多用しても劣化しにくく、1回の充電で走行可能な距離も短くなりにくい」という。
リーフを順調に売るには、アリアのように急速充電器への不安を解消して、なおかつ「ゼロエミッションサポートプログラム2」のような割安に充電できるサービスを再構築することが必要だ。
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Source: 車ちゃんねる
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