世界的に株価が下落する中、韓国では多くの個人投資家がテスラ株に投資を行っているという。韓国の多くのテスラ株投資家に共通するのは、人生の“起死回生”を狙うことだろう。韓国の若者の中では、「大学を卒業しサムスン電子など財閥系大手企業に就職できれば、良い暮らしができる」と考える人が多いようだ。しかし、実際に財閥系企業に就職できるのはほんの一部で、それ以外の学生は待遇がいいとは言えない企業に就職せざるを得ない。その所得格差はかなり大きいといわれている。
一方、ソウル近郊の住宅価格は高騰し、借り入れに頼って住む場所を確保しなければならなくなる人も多い。苦しい生活環境から抜け出すために、リスクの高い資産に資金を投じる人は増えたと考えられる。それは韓国経済にとって無視できないリスク要因だ。長期的にみれば、家計部門の不良債権は増え、韓国の経済と金融市場にかなりのストレスがかかる懸念がある。
今後、世界経済が減速すると、韓国経済の牽引役である輸出にはより強いブレーキがかかるだろう。中国経済の高成長の終焉(しゅうえん)、メモリなど半導体市況の軟化、利上げによる米国の個人消費の減少などのマイナス要因がある。その状況下で世界的に株価が下落すれば、韓国家計の債務リスクは一段と高まり、金融システムの不安定化懸念も上昇するだろう。
■テスラの株主ランキングでは7位
ー中略ー
■テスラ株に人生の逆転をかけている?
特に、テスラ株の上昇は間違いないと先行きを強気に考える韓国の個人投資家は依然として多い。2021年11月末、連邦準備制度理事会(FRB)は“物価上昇は一時的”という認識の誤りを認めた。それ以降、米金利は上昇し、テスラの株は下落した。2022年12月下旬の株価はピークの半値以下だ。金利上昇以外にも、中国での販売減少懸念、イーロン・マスク氏がツイッターを買収しテスラの経営が不安定化するのではないかといった不安の高まりなどもテスラの株価を下押しした。
それでも、2022年12月時点で韓国個人投資家のテスラ株上昇期待は大きく低下していないようだ。サムスン電子の株式を売却する個人投資家は増えているようだが、テスラに関しては下落局面で買い向かう投資家が多いとみられる。
ー中略ー
■資産を持つ人、持てない人の格差が鮮明に
2点目は、家計の債務残高の増加だ。よりよい雇用や所得環境を求め、政治と経済の中心地であるソウル近郊に移り住む人は増えた。住宅需要は押し上げられた。一方、過去の政権は住宅価格の上昇を抑えるよりも、ローン規制の緩和など市況を過熱させる政策を進めた。リーマンショック後の世界的な低金利環境の継続観測の高まり(楽観)も加わり、ソウルのマンション価格などは高騰した。すでに資産を持つ人の富は増えた。
しかし、若年層や多くの現役世代の雇用・所得環境は厳しい状況が続いた。より良い生活を求めて首都近郊に移り住みはしたが、住居の確保のための借り入れが増えて生活が一段と苦しくなった人は多いとみられる。その結果、ハイリスクの投資を行い、苦境からの起死回生を図ろうとせざるを得ない人は増えたのではないか。
■中には自己資金以上のお金をつぎ込む人も
今後、韓国の家計部門における不良債権増加の恐れは高まりそうだ。韓国のインフレは依然として高い。2022年12月の消費者物価指数の上昇率は前年同月比で5.0%だった。インフレのピークは過ぎたと考えられるものの、韓国銀行(中央銀行)は利上げを継続しなければならないだろう。政策金利が想定された以上に引き上げられる可能性もある。それよって金利は上昇し、変動金利型住宅ローンの利払い負担は増える。家計にはより大きな打撃が生じやすい。中小企業の利払い負担も増えるだろう。
一方、中国経済の景気後退懸念の高まりなどによって、韓国の輸出は減少し始めている。所得の増加はこれまでに増して期待しづらくなるだろう。生活の苦しさが追加的に高まる家計は増えると予想される。先行きの不透明感高まる状況にあっても、2022年12月の月初以降、テスラ株を買い越す韓国の個人投資家は増えたようだ。
中には、投資資金を借り入れ(レバレッジをかけ)て、自己資金以上のお金をリスク資産に投じ、より多くの利得確保を狙った個人投資家もいる。それほど韓国の個人、家計を取り巻く経済環境の厳しさは増しているようだ。
以下ソースから
真壁 昭夫(まかべ・あきお) 多摩大学特別招聘教授
1/10(火) 9:17配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/080351092c8535d5bff3411f5286897e191c8037?page=1
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Source: 車ちゃんねる
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