ボルトやナットで取り付ける場合は保安部品扱いで構造変更は不要
新型コロナ禍でのアウトドアブームの影響か、日本車でもリヤにヒッチメンバーを付けているクルマを以前よりは見かけるようになってきた。ヒッチメンバーとは、リヤにキャンピングハウスやボートを積んだトレーラーをつなげるためのいわばジョイントで、もともとはアメリカ車っぽい装備だ。
自動車文化の裾野が広がった感じではあるので、その点では喜ばしいことだが、後ろから見ていて気になるのが、金属のゴツい部品がかなり出っ張っていて大丈夫なのかということ。そもそも車検は問題ないのかも気になる。
じつは車検問題は意外に複雑だったりする。飛び出ているということは全長が変わるわけで、構造変更が必要になると思いきや、ボルトやナットで取り付けてある場合は保安部品扱いになるので、構造変更は不要。溶接でガッチリと止める場合は申請をして全長などを変更しなくてはならない。取り付けてしまえば実質同じように思えるが、けっこうこの違いは大きいのではないだろうか。
そしてさらに最近気になるのが、ヒッチメンバーを利用したヒッチキャリアだ。要はヒッチメンバーの上に台座を付けて、そこにボックスや自転車を積んでいるのだが、「ルーフに積むより載せたり下ろしたりが楽」とか、「車外の積載量がかなり増えた」という喜びの声が多い。とくに自転車はミニバンであれば車内に積めるものの、汚れを気にすることも多く、ヒッチキャリアなら気にせず積むことができる。
ただ気になるのは、後部にかなり飛び出しているということと、ナンバーが隠れてしまっているということ。まず飛び出しについては、荷物であれば全長の10%までという規定があり、ヒッチキャリアも当てはまるのではないかと言われていたが、先にも述べたようにボルト&ナットでの固定であれば保安部品扱いになることもあってか、陸運事務所の判断によって違うこともあるようだが、それ以上出ていても問題ないとされるようになってきた。それもあってか、自転車を3台ぐらい積んでいるのも見かけたりする。そもそも出回っているキャリアの全長を見ると車体の10%を出るものがほとんどである。
もうひとつの懸念であるナンバーが隠れるのは違反となるし、灯火類も同様。つまり自転車のような大きなものを、しかも複数台積むというのはほぼ見えないのでダメ。なかには紙に手書きをしたナンバーを見えるところに貼ってよしとしているクルマもあるが、これももちろん違反となる。実際はこの点を守っていないクルマをけっこう見かけるので、今後は正しい積み方が浸透することを願うばかり。正しく使えば便利なアイテムだけになおさらだ。
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Source: 車速報
「ナンバーが見えない」「全長のはみ出し」!いま日本で増えつつある「ヒッチメンバー」の抱える問題